①目的

高硬度材の材料取りにおいて既設バンドソーでは刃が逃げてしまい歩留まりが悪かった。ワイヤ放電加工機でスライス加工をしていたが、加工時間がかかり、他の加工に停滞が生まれてしまうため、材料取りの工程を改善したい。

②導入のポイント

・タイナテック製ワイヤ放電精密コンターマシンを採用
・放電加工のため硬度の高い難削材の加工はもちろんのこと導電性のある材料なら加工可能な汎用性の高さ
・0.18Φ~0.2Φのワイヤ線を使用できるため歩留まりを向上できる
・モリブデンワイヤを使用するため真鍮ワイヤ線を使うワイヤ放電加工機に比べ加工速度が速い
・モリブデンワイヤを機械後方のドラムに巻き付け正転-逆転を繰り返し長時間の対応が可能なためラニングコストを抑えられる。

③実例

加工内容:円盤スライス加工

機  種:DKS7725-Ⅰ

材  料:チタン Φ170㎜

<費用対効果試算>
スライス加工(1枚)の加工時間:4時間
・ワイヤ  ¥32/H
・加工液  ¥40/H
・フィルター¥22/H
・ガイド  ¥75/H
・電力   ¥44/H(電気単価に依る)
 合計   ¥213/H 

  ⇒4Hの場合 ¥852

③結果

・モリブデンワイヤは正転逆転で繰り返し使用ができるためメーカー計算での消費量は128円程度だった。
・イオン交換樹脂をつかわないため、ランニングコストを極力かけずに稼働ができることが大変よかった。
・従来の放電加工機に比べ、加工速度が出せた。
・バンドソーに比べ安全性が高く、歩留まりもよくなった。